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ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)策定×CI刷新にまつわる言葉を解説

中小企業×ブランディング005|ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)策定×CI刷新にまつわる言葉を解説

「自分たちの会社の良さは、自分たちが一番よくわかっている。けれど、それを言葉にして誰かに伝えようとすると、途端に難しく感じてしまう……」

経営者の皆さまと対話していると、そんな「想いを言葉にする」ことの「もどかしさ」を伺うことがよくあります。

私たちカズミアは、これまで多くの企業さまと対話する中で、経営者さまの胸にある熱い想いを「届く言葉」に整えるお手伝いをしてきました。どれだけ優れたデザインを施しても、根底にある言葉が曖昧では、本当の魅力は伝わりきらないからです。

そこで、今回はその根底となるミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を、経営の判断基準として機能する言葉へと整理し、それを会社全体の見せ方(CI:コーポレート・アイデンティティ)に繋げていく具体的な流れを解説します。

目次

1. ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を定義する

会社の性格を決定づけるのは、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)という3つの言葉です。

これらが揃うことで、会社や組織は迷いなく一つの方向へ進むことができます。

MVV(Mission・Vision・Value)の概要図

ミッションとは

社会における存在意義です。
自分たちは何のために存在し、誰に対してどのような価値を届けるのかという「役割」です。今の仕事が社会の何を解決しているのかを明確にします。

ビジョンとは

たどり着きたい未来の景色です。
活動を続けた先に、どのような世の中にしたいかという「将来の目標」です。5年後、10年後の理想の状態を具体的に描くことで、チーム全員が同じ目的地を目指せるようになります。

バリューとは

価値観や姿勢、日々の判断基準です。
何を大切にし、どう動くかという基準があることで、現場での判断に一貫性が生まれます。

 
いざ、自分の会社のMVVを定めようとすると、迷われることが多いと思います。実際に社会から支持されている企業は、これらをどのような言葉で表現しているのかを見ていきましょう。

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2. 多様な分野に見る、有力企業のMVV実例

独自の言葉を持つ企業は、社員の振る舞いやサービスの質も一貫しています。異なる5つの分野から、その言葉が持つ力強さを確認してみましょう。

Google
ミッション 世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにする
ビジョン ミッションを実現し、革新的なサービスを通じて生活をより便利にする姿
バリュー ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる、など10項目
トヨタ自動車
ミッション わたしたちは、幸せを量産する
ビジョン 可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える
バリュー トヨタウェイ(知恵と改善、人間性尊重、チャレンジ)
ユニクロ
ステートメント 服を変え、常識を変え、世界を変えていく
ミッション ・本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します
・独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、社会との調和ある発展を目指します
ビジョン LifeWearを世界中のあらゆる人に届ける
バリュー お客様の立場に立脚。個の尊重、会社と個人の成長。正しさへのこだわり
メルカリ
ミッション 新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る
ビジョン ミッションに統合される形で、世界的なマーケットプレイスを目指す
バリュー Go Bold(大胆にやろう)、All for One(全ては成功のために)、
Be a Pro(プロフェッショナルであれ)、Move Fast(はやく動く)

 
この4社のMVVを見て感じることがあると思います。
MVVを形作る言葉は、以下のポイントが重要であることに気付きます。

等身大の表現であること

見栄えの良い、抽象的な美辞麗句で飾る必要はありません。会社の現状と目指す姿、そしてそこで働く人々の素直な思いや価値観を、正直に、等身大の言葉で表現することが、社内外の共感を呼ぶ第一歩となります。

素直な想いであること

MVVは、経営者や創業者が心から信じ、実現したいと願う熱い想いを込めることで、初めて力を持った説得力のある言葉になります。建前や流行に流されず、「本当に大切にしたいこと」「絶対に譲れない価値」を突き詰める姿勢が、言葉に重みを与えるのではないでしょうか。

また、これらの企業に共通しているのは、「何を売るか」ではなく「なぜやるか」が鮮明であることです。その一貫性が、ファンを増やしていく力に繋がっていることが感じられます。

こうした実例を踏まえ、次は実際に自社のMVVをどのように策定していくべきか、その具体的な手順を見ていきましょう。

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3. 実践:自社のMVVを策定するための指針

MVV策定とは、既存の正解を探すのではなく、自社の中に既にある想いを見つけ出すプロセスです。

以下4つの手順に沿って問いを立てることで、独自の言葉を紡ぎ出すことができます。

1. 過去を深掘りし、ミッションを定める

創業の経緯や、これまでの苦難を振り返ります。

問い なぜこの事業を始めたのか?
どんな不満や不便を解決したかったのか?
具体例 ある小さな工務店なら「大手では断られるような古い家の不具合を直し、お年寄りが安心して暮らせる町にしたい」という動機。
ミッションの定め方 工務店として「家を建てる・直す」という手段だけではなく、「安心を届ける」という目的に焦点を当てます。
策定例 「いつまでも安心して暮らせる、家族の居場所を守り続ける。」
2. 未来を想像し、ビジョンを描く

制限を設けずに「最高の結果」を想像します。

問い 10年後、自社のサービスが普及した街や業界は、今と何が違っていますか?
具体例 教育支援企業なら「テストの点数で悩む子が一人もいなくなり、自分の得意なことで夢を語る若者で溢れている街」。
ビジョンの定め方 社員がワクワクするような「達成した瞬間の景色」を言葉にします。
策定例 「誰もが自分の可能性を信じ、挑戦を楽しめる社会の実現。」
3. こだわりを抽出し、バリューに落とし込む

現場での行動や、大切にしている文化を書き出します。

問い 売上が上がるとしても「これだけは絶対にやりたくない」ことは?
どんな人を「うちの会社らしい人」と呼びますか?
具体例 システム開発会社なら「自分たちが理解できていない技術は提案しない」「納期より品質の誠実さを取る」。
バリューの定め方 日々の業務で「迷った時の優先順位」がわかる言葉にします。
策定例 「誠実こそが最短ルート」「まず自分たちが熱狂しよう」「未完成でも走り出す」。
4. 平易な表現に整える

策定した内容は、最終的に誰もが理解できるシンプルな言葉に凝縮します。難しい専門用語を避け、社員が日常的に使える表現にすることが、社内に浸透させるための鍵となります。

こうして定めたMVVは、次に解説するCI(コーポレート・アイデンティティ)刷新の基準となります。

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4. CI(コーポレート・アイデンティティ)刷新への展開

MVVを定めた後は、それを会社全体の発信や行動に徹底して適用していきます。これがCIの刷新です。

ここでは「子供たちの健やかな成長を支える、地元の無添加食品メーカー」を例に、MVVがどのようにMI、BI、VIの言葉として具体化されるかを解説します。

策定したMVVの例
  • ミッション:「食を通じて、子供たちの365日の笑顔を守る」
  • ビジョン:「地域のすべての食卓が、安心で満たされている未来」
  • バリュー:「親の視点を忘れない」「嘘のない素材選び」「手間を愛する」
MI(マインド・アイデンティティ):思想の言語化

MVVをベースに、自社の思想、精神性を言葉として定義します。

具体的な刷新 経営理念や社訓を、「自分たちの本音」として定めます。
言葉の例 「私たちは、自分の子供に食べさせたくないものは一切作らない。」
「効率よりも、10年後の子供の健康を優先する。」
意義 これにより、新商品の企画時に「これはミッションに沿っているか」という議論が自然に生まれるようになります。
BI(ビヘイビア・アイデンティティ):行動の言語化

MI(思想)を、実際の業務や接客での具体的な行動、振る舞いを規定する言葉に変換します。

具体的な刷新 接客マニュアルや業務指針を、バリューに基づいた「判断の基準」に書き換えます。
言葉の例 「お問い合わせには、近所の知人に相談されたときのような親身さで答える。」
「原材料の産地は、聞かれる前に自分たちからすべて開示する。」
意義 現場の社員が「どう動くべきか」を自分で考えられるようになり、一貫したサービス品質が生まれます。
VI(ビジュアル・アイデンティティ):視覚要素の言語化

MIとBIを正しく伝えるために、ロゴやデザインの背後にある「視覚的な約束事」を言葉にします。

具体的な刷新 デザインのトーン&マナーを言語化しロゴに添える言葉(タグライン)を策定します。
言葉の例 タグラインに「365日、お母さんの味方でありたい。」
デザイン指針として「着色料を使わない素材本来の色味を、デザインでも表現する。」
意義 Webサイトやパッケージのデザインに一貫性が生まれ、お客様に「この会社は信頼できる」という印象を直感的に与えることができます。

ここでさらに想いを多角的に伝えるために、10個の言葉への展開を解説します。

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5. MVVを軸とした10個の言葉への展開

MVV策定・CI刷新と進めてきました。ここでMVVを含めて以下の10種類の言葉を整理することで、社内外への発信力を一層強化できます。樹木に例えるとわかりやすいです。

全ての活動の土台を固める言葉:「根=基礎となる要素」にあたります

ミッション、ビジョン、 バリューに加えブランドコンセプトを定めます。

ブランドコンセプト 商品や事業が大切にしている「基本的な考え方」です。
(例:誰でも手軽に本格的な味が楽しめる時短イタリアン)
想いと顧客をつなぐ「架け橋」の言葉:「幹=中核となる要素」にあたります
ブランドストーリー なぜこの事業を始めたのかという「物語」です。
(例:創業者が忙しい育児中に「家族に美味しいものを」と悩んだ経験)
ブランドプロミス 関わる人に対し、何を約束し、どんな価値を保証するかを宣言します。
(例:私たちは、保存料不使用かつ10分以内の調理を約束します。)
スローガン 今、この瞬間に掲げる「中期的な目標」を言葉にしたものです。
(例:食卓から、ゆとりの革命を)
外部との接点を作る言葉:「枝葉=対外的な表現要素」にあたります
ブランドメッセージ 商品や事業が社会に対して堂々と宣言することです。
(例:頑張りすぎない、新しい「美味しい」のかたち。)
タグライン 「どんな存在なのか」を一瞬で伝える、短い自己紹介フレーズです。
(例:10分の魔法で、本格イタリアン)
ネーミング 全ての想いを凝縮した、愛着の湧く名前そのものです。
愛着の湧く名前(例:Presto Kitchen)
ブランド要素の構造を木で表した概念図         
MVVを軸とした10個の言葉

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6. 本音の「物語」と「約束」が最強の武器になる

AIが綺麗な文章を自動で作れるようになった今だからこそ、あなたにしか語れない言葉に価値があります。

価格競争を終わらせるブランドストーリー

多くの中小企業が悩む価格競争から抜け出すヒントは、今回のMVV策定とこれに基づいたCI刷新というストーリーにあります。今の時代、AIを使えば整った文章やデザインは手軽に作れるようになりましたが、あなたがこれまでどんな想いで会社を続けてきたかという物語だけは、誰にもコピーできません。

「何を売るか」以上に「なぜやるか」という情熱にお客様は共感します。あなたの想いにお金を払ってくれるファンを増やすことこそが、ブランディングの真の目的です。

「心的印象」を整え、信頼を築く一貫性

ロゴや行動が、経営者の想いとズレていないかを確認することが大切です。目にした人が抱く心的印象を一貫させることで、深い信頼が生まれます。

たとえ不格好でも、経営者のありのままの本音から生まれる言葉こそが、人の心を震わせるブランディングの源になります。飾らない言葉を、一貫した態度で届け続ける。その積み重ねが、御社を唯一無二の存在に変えていくと私達は考えます。

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7. まとめ

言葉を整えればブランディングは加速します

今回お伝えした内容は、自分たちの本当の良さを正しく届けるための、大切な指針です。

  1. 経営のやり方をデザインする:デザイン経営で、会社の本当の価値を磨き上げます。
  2. MVVを定める:全ての活動の土台として、本音の想いを言葉にします。
  3. MVVに基づきCIを刷新する:会社全体の発信や行動に反映させていきます。

このステップを一つずつ実践することで、あなたの会社は、お客様に選ばれ続ける「愛されるブランド」へと進化していきます。

あなたの「らしさ」、一緒に見つけませんか?

中小企業のブランディングは、今ある魅力を認めることから始まります。すでにお客様に喜ばれている理由を掘り下げていくだけで、ブランドの本質的な魅力は見つかります。

「自分たちの想いをどう言葉にすればいいか悩んでいる」 もしそう感じていらっしゃいましたら、ぜひ私たちカズミアにご相談ください。ホームページを作るだけでなく、あなたの本質的な価値を共に掘り起こし、お客様の心に響く「言葉」へと磨き上げるパートナーになります。

まずはあなたの経営への想いを、ざっくばらんにお聞かせください。そこから、あなただけの素晴らしい「らしさ」を一緒に見つけ出しましょう。

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経営者様におかれましては、ブランディング全般についてお困りのことがございましたら、伴走者として共に取り組みを進めることができる私たちカズミアに、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料で承っております。

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【連載】成功するブランディング

第1回:デザイン経営とは?中小企業に必要な理由と実践方法を解説【診断テスト付き】
第2回:中小企業のための心に響くブランディング戦略
第3回:「ウチには何もない」なんてことはありません。地域の中小企業が「憧れのブランド」に変わった3つの物語
第4回:CI(コーポレート・アイデンティティ)とは?企業ブランドを強化する戦略
第5回:ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)策定×CI刷新にまつわる言葉を解説

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