課題と目的

越谷らるご様が運営するフリースクール「りんごの木」は、子どもたちが自由に過ごせる場です。ただ一方で、保護者の中には「どんな過ごし方をしているのだろう」「学習面はどうなっているのだろう」と疑問や不安を持つ方もいました。そのため、初めての接点となるホームページで、施設の方針や雰囲気をわかりやすく伝えることが求められました。

また、越谷らるご様の活動そのものを広く知ってもらうことも課題でした。これまで長く応援してくれる人は多くても、新たに活動を知り、支援につながる人は少ない状況。社会的に意義のある取り組みをより多くの人に届けたいという想いがありました。

さらに、既存サイトでは情報更新のたびに内容を書き直していたため、過去の活動が見づらく、更新作業にも手間がかかっていました。手軽に発信でき、訪れる人が過去の取り組みも含めて見やすい仕組みが必要でした。

制作に向けて

私たちは実際にフリースクールを訪問し、対面でのヒアリングを実施。子どもたちが自由に過ごす様子や、建物に多くの窓があり風通しのよい空間であることを肌で感じました。
この体験をもとに、デザイナー・イラストレーターと情報を共有し、一貫した方向性で制作を進めました。

特に大切にしたのは、「自分らしくある」ことを肯定する越谷らるご様の姿勢。TOPページには風が吹き抜けるようなアニメーションを加え、見る人が自然と心地よさを感じられるようにしました。

ご提案と工夫

• 風をテーマにしたデザイン
  窓から通り抜ける風をモチーフに、「風は誰にでも等しく吹く」というメッセージを込めました。風が髪を揺らしたり、涙を乾かしたりするように、寄り添い続ける存在を表現しています。
  また、リアルな風の流れを感じてもらえるように、イラストにアニメーションを加えました。揺れる方向や動きの強弱、タイミングまで細かく調整し、サイト全体に心地よい風通りを感じられるように仕上げています。
• イラストで「らしさ」を表現
  水彩タッチの優しいイラストを制作。「風のリレー」をテーマに、さまざまな過ごし方をしている人々を描きました。人と動物が対等にそばにいる様子を盛り込み、誰もが安心できる場であることを表現しました。
  また、イラストの方向性を決める際には、お客様とラフを出し合いながら進めました。特に今回は、お客様に紙に描いてフィードバックをいただくことができたため、言葉だけでは伝えにくいニュアンスも共有しやすく、イメージを丁寧にすり合わせることができました。

• 情報へのアクセス性を改善
  不登校やひきこもり当事者と家族向けのイベント情報を、ページ上部のメインビジュアル下に配置。直感的にアクセスできるよう改善しました。
  
• 写真の活用
  実際の過ごし方が伝わるよう、施設での様子を写真で紹介。初めて訪れる人にも雰囲気が伝わるよう工夫しました。
  

サイトで実現したこと

イラスト制作からデザイン、WordPress構築まで一貫して対応。更新作業も簡単にできる仕組みを整え、お客様自身でブログや新着情報を発信していただけるようレクチャーも実施しました。

今回のプロジェクトでは、越谷らるごの「らしさ」を丁寧に言葉とデザインに落とし込み、訪れる人に安心感と共感を与えるサイトを実現しました。施設に通う子どもやスタッフ、関わる全ての人に「ホームページが好き！」「あってよかった」「ほっとした」と思ってもらえる、まるでお守りのような存在を目指しました。

「らしさ」をカタチにするホームページを

カズミアでは、ヒアリングからイラスト・デザイン・撮影・原稿作成までトータルで対応可能です。
「想いをしっかり伝えたい」「会社や団体の『らしさ』を表現したい」とお考えでしたら、ぜひご相談ください。