【費用対効果バツグン】SNSでZ世代を採用するマーケティング戦略とは?

現代の若手求職者の中心であるZ世代の採用市場においては、従来の採用手法だけではもう通用しません。さらに高騰し続ける採用コスト、働く人の数は減り続けています。そして求職者の価値観の劇的な変化に直面する今、企業が取るべき唯一の道は、採用活動そのものを根本から見直すことです。
これからの採用成功の鍵は、「採用活動」「組織作り」「発信・採用広報」の3つをセットにして、持続的な好循環を生み出す「SNS活用循環型モデル(エコシステム)」の構築にあります。

このモデルは、採用を単発の「人材補充」という活動から脱却させ、組織全体の成長を加速させる力へと変えていきます。
この「SNSを活用したエコシステム」を構築することで、高騰する採用コストは未来の企業価値を高めるための「戦略的投資」に変わり、そして、会社は変化の激しい時代を乗り越える強い土台を築くことができるのです。
この記事では、そのための具体的な戦略と、すぐに実践できる方法を解説します。
目次
1. 採用の主戦場はなぜSNSに移ったのか?
現代の採用市場は、二つの大きな潮流によって、その様相を根本から変えつつあります。
一つは労働人口の減少という構造的な問題、もう一つはZ世代を中心とする求職者の価値観の変化です。
これらの後戻りできない変化は、企業に対して従来の採用手法からの脱却と、新しい採用戦略への移行を強く迫っています。本章では、なぜ採用の主戦場がSNSへと移行したのか、その背景を解き明かします。
1.1. 従来型採用の限界とコスト構造の変化
かつて採用活動の中心であった求人媒体への広告掲載や人材紹介サービスは、今や深刻な課題に直面しています。
これらの従来の方法は、効果が一時的で、お金を払っている間だけしか機能しません。契約が終われば効果もゼロになり、次の採用のときにまた同じお金を払う必要があります。つまり、企業の財産として積み上がっていかないという問題があります。
高騰し続ける費用
求人媒体に1ヶ月広告を掲載するだけで30万円から50万円、1名の採用に数十万円のコストがかかることは珍しくありません。特に飲食業界では求人媒体の掲載費が年間120万円を超えるケースもあり、経営を圧迫しています。専門職採用においては、売り手市場を反映し、人材紹介エージェントの手数料が年収の35%前後を基準とし、40%超を提示しても差別化が難しい状況です。
成果の不安定さ
高額な費用を投じても応募が集まらない、あるいは応募者の質が安定しないという課題が急増しています。労働人口の減少による人材の奪い合いが激化し、従来の手法では費用対効果が見合わなくなっているのです。
資産にならないコスト構造
広告掲載や人材紹介は、効果が期間や成果に依存する一過性の「支出」です。契約が終了すれば効果はゼロになり、次の採用のためには再び同じコストを支払わなければなりません。
これこそが、従来モデルの根本的問題です。それは採用を、繰り返される「業務費用」として扱い、企業の未来を創る「人的資産への資本投資」として捉えていないことにあります。
採用活動は、消費的で直線的なモデルから、資産を育む循環的なモデル(=エコシステム)へと転換されなければなりません。
1.2. Z世代の台頭と情報収集行動の変容
Z世代を中心とする若手求職者の登場は、採用市場のルールを完全に書き換えました。彼らは真のデジタルネイティブであり、その情報収集行動は旧世代とは全く異なります。
彼らは、企業の公式サイトや求人サイトだけでなく、InstagramやTikTokといったSNSからリアルな情報を収集することを重視します。実際に、ある調査では就活生の約7割がInstagramで企業アカウントをチェックしており、半数近くがTikTokで採用関連動画を見たことがあると回答しています。
彼らがSNSで求めているのは、企業が公式に発信する「言葉」だけではありません。彼らが知りたいのは、求人票では決して伝わらない「空気感」や「人の雰囲気」です。動画や写真を通じて「職場のリアルな一面」や「社員同士の関係性」を直感的に感じ取り、その企業が自分に合うかどうかを判断するのです。この変化に対応できない企業は、若手人材の採用競争において、選考の土俵にすら上がることができません。
1.3. 求職者が求める「共感」と「リアル」の本質
現代の求職者が企業選びで最も重視するものは、「給与」や「福利厚生」といった「条件」から、「共感」へとシフトしています。彼らは「自分に合う会社」「自分の価値観に合う職場」を真剣に探しており、その判断基準となるのが、SNSを通じて伝わる「企業の人格」です。
- 職場の雰囲気
- 社員同士の関係性
- 仕事のリアルな一面(成功も失敗も含む)
- 経営者の考えや価値観
これらの情報は、求人票の文字情報では決して伝えきれません。
SNSは、写真や動画、社員の普段の投稿を通して、会社に「人柄」や「親しみやすさ」があることを伝えるのに最適なツールです。求職者は、作り込まれた広告よりも、社員のありのままの姿に親近感を覚え、「この人たちと一緒に働きたい」と感じるのです。
これは一時的な流行ではなく、人材採用の場で起きている、ずっと続く大きな変化です。この変化に対応するには、単にやり方を変えるだけでなく、根本的にアプローチを見直す必要があります。次の章で、その新しい方法を詳しく説明します。
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2.成果を最大化するSNS採用の戦略設計
SNS採用を成功させるためには、単なる思いつきの投稿ではなく、明確な目的意識に基づいた戦略設計が不可欠です。
多くの企業が「とりあえずアカウントを作った」だけで成果を出せずにいるのは、この戦略がきちんと作られていないからです。この章では、前の章で提案した「循環型エコシステム」を動かすための具体的な「仕組み」として、採用の成果に直接つながる運営の戦略と戦術をわかりやすく説明します。
2.1. プラットフォームの特性と戦略的選定
SNSと一括りにせず、各プラットフォームの特性を理解し、自社の採用ターゲットに最も響く媒体にリソースを集中させることが成功の第一歩です。「全部やる」のではなく、「最も成果の出やすいSNSに集中する」という戦略的判断が求められます。

| プラット フォーム |
特性・強み | ユーザー層 | 最適な採用戦略 |
|---|---|---|---|
| ビジュアル重視、世界観の表現力。写真やリール動画で「空気感」を伝えるのに最適。 | 10代〜30代の若者層、特に女性が多い。 | 「世界観」「共感」の醸成。 社風や働く人の魅力を視覚的に伝え、企業のファンを作るブランディング型採用。 | |
| TikTok | 短尺動画によるストーリーテリングが強力。エンタメ性とリアリティの融合。 | Z世代(10代〜20代前半)が中心。 | 「人の魅力」の伝達。 社員の日常やチームの雰囲気をテンポ良く見せ、親近感と応募意欲を喚起する共感型採用。 |
| X (旧Twitter) |
リアルタイム性と圧倒的な拡散力。カジュアルなコミュニケーションが可能。 | 幅広い年齢層が利用。特に日本のユーザー数が多い。 | 「親近感」の醸成。 社内イベントや日常のつぶやきで企業との距離を縮め、求人情報を迅速に拡散する。 |
| ビジネス特化型SNS。キャリア意識の高い専門職・管理職層が中心。 | 20代〜40代のビジネスプロフェッショナル。 | 「企業文化」の深い発信。 業界知見や経営理念を伝え、ミドル〜ハイクラス人材や専門職に直接アプローチする。 |
2.2. 「広告」から「共感ストーリー」へのコンテンツ転換
求職者、特にZ世代は広告らしい言葉を嫌います。「やりがい」「成長」といった抽象的な言葉の乱用や、「私たちの強みはこちら!」という企業目線の一方的なアピールは、彼らの心に響きません。成果を出すコンテンツの本質は、宣伝色のない「共感型ストーリー」にあります。
大切なのは、「企業」ではなく「人」を主役にすることです。働く人の想い、成長、日常を丁寧に描くことで、求職者は企業への信頼と親近感を抱きます。
良いコンテンツの例
「入社2年目の〇〇さん。最初は緊張の毎日でしたが、今では後輩に仕事を教える立場に。『あの時SNSで見た社員の笑顔が応募のきっかけでした』と語ります。」
このような「人の物語」は、求職者が「ここで働く自分」を具体的に想像する手助けとなり、無機質な募集要項よりもはるかに強く応募意欲を掻き立てるのです。
2.3. 成果を出すための改善サイクルと目標設定
SNS採用は投稿して終わりではなく、データを見ながら継続的に改善していくことが成果を出すカギです。そのためには、認知から採用までの各段階で、どれくらい成果が出ているかを測る指標(KPI)を設定する必要があります。
認知
目的:自社を知ってもらう
KPI例:インプレッション数、リーチ数、動画再生回数
興味・共感
目的:投稿に興味を持ち、共感してもらう
KPI例:エンゲージメント率(いいね、コメント、シェア)、保存率
行動
目的:より深く知るための行動を促す
KPI例:プロフィールアクセス数、採用サイトへの遷移数(リンククリック数)
成果
目的:実際の採用成果に繋げる
KPI例:応募数、採用単価、入社後の定着率
多くの企業はフォロワー数など見た目の数字を気にしがちですが、本当に大切なのは「応募してもらえたか」を測ることです。
ただし、ここで注意すべき点があります。採用単価や定着率といった最終的な成果を、SNS運用チームの評価基準にしてはいけません。SNS運用チームがコントロールできるのは、「知ってもらう」「興味を持ってもらう」「行動してもらう」までです。
最終的に採用が決まるかどうかは、面接担当者のスキルや給与条件など、SNS運用以外の要素に大きく影響されるからです。自分たちでコントロールできることを測る、これがデータを活かした運用の基本です。
2.4. 成功事例から学ぶ実践のコツ
異なる業種の成功事例は、効果的なSNS運用のヒントに満ちています。
株式会社スマテン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運用SNS | X(旧Twitter) |
| 選定理由 | 設備点検という比較的ニッチ分野を生業とするため、Xの拡散アルゴリズムは、ニッチ領域こそ広く知られるという特徴が活かせる。 |
| 採用課題 | 企業文化の透明性を高め、エンジニア採用を強化すること。 |
| 具体的な施策 | 社員の「素」の姿を発信する『社員の本音シリーズ』を展開。成功体験だけでなく、失敗談や苦労話も包み隠さず共有した。 |
| 結果 | エンジニア採用の応募者が増加し、入社後のミスマッチも減少。 |
木村鋳造所
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運用SNS | X(旧Twitter) |
| 選定理由 | ものづくり系/製造業/BtoB企業 が若手技術者を引きつけたい場合、Xのようなリアルタイムで文化を伝えられるプラットフォームは強力な差別化チャネルになりうる。 |
| 採用課題 | 製造業の固いイメージを刷新し、若手人材に魅力を伝えること。 |
| 具体的な施策 | 工場の日常風景や社員の働く様子を親しみやすい言葉で発信。専門用語を噛み砕いて説明したり、製造過程を短い動画で紹介したりした。 |
| 結果 | 製造業に興味を持つ若手人材の応募増加に成功した。 |
アダストリア
アダストリア新卒採用担当 (@adastria_recruit)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運用SNS | |
| 選定理由 | アパレルは視覚的体験がすべてです。コーディネート、店舗の雰囲気、スタッフの接客スタイル、シーズンごとの世界観など、これらは文章より写真・動画が圧倒的に伝わりやすいことが理由です。 |
| 採用課題 | アパレル業界を志望する層に有益な情報を提供し、エンゲージメントを高めること。 |
| 具体的な施策 | 社内の雰囲気や社員紹介に加え、アパレル店員を目指す人にとって有益な専門的知見や情報を発信した。 |
| 結果 | ファッションとの親和性が高いInstagramの特性を活かし、専門知識も得られるアカウントとして人気を集めた。 |
ソニーミュージックグループ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運用SNS | YouTube |
| 選定理由 | ソニーミュージックグループにとって、YouTubeは 単なる採用宣伝ツールではなく、“企業ブランド・クリエイティビティ・カルチャー”を深く伝える戦略メディアとして選定しています。特にエンタテインメント企業として、自社の“ストーリーを語る力”を活かし、魅力的な候補者(クリエイティブ職/デジタル職など)を引きつけることを目的としています。 |
| 採用課題 | Z世代やミレニアル世代の興味を引き、強いインパクトを残すこと。 |
| 具体的な施策 | お笑いコンビ「バイきんぐ」の小峠さんを起用したバーチャル面接官動画や、360度視点を回転できる体験型動画など、エンターテイメント性の高いコンテンツを制作した。 |
| 結果 | 動画が約17万回再生されるなど高い評価を得て、動画による効果的な訴求を実現した。 |
これらの色々な業界の例からわかるのは、まず「自分たちの会社ってどんな会社だろう?」を考え、その上で「どのSNSを使えば、それを一番分かりやすく伝えられるだろう?」と気づくことです。そして、自分たちの会社のありのままの姿を「商品」として見せる、という大事な決断をしたことです。
日々の仕事で、うまくいったこと、大変だったこと、人間らしい瞬間を、隠さずにそのまま公開し、それを人を採用するための中心的な「商品」にしたのです。このように「言葉で説明する」ことから「実際に様子を見せる」ことに変えたのが、ファンを作る採用活動の力になっています。
SNSを戦略的に使うことは、ただの広報活動の道具ではありません。それは、会社の魅力を最大限に引き出し、未来の仲間を惹きつける「最高の採用ツール」になり得るのです。
しかし、最高のエンジンでも、それを支える土台(組織)と、動かす人(担当者)がいなければ、本当の力は出せません。次の章では、その会社全体の仕組み作りについて説明します。
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3.「採用」を越えて、「組織全体を成長させる仕組み」へ
ここまでは、SNSを使った採用のやり方について説明してきました。
しかし本当に採用がうまくいくためには、採用活動だけを単独で行うのではなく、組織づくりや情報発信と連携させた「循環する仕組み」として考えることが大切です。この章では、SNS採用の話を具体的なやり方から全体の戦略へと広げ、採用活動を組織を成長させ続けるエンジンに変えるための全体像をお伝えします。
3.1.「採用×組織作り×広報」の循環する仕組み
継続的に良い人材を獲得できている組織は、「循環型モデル」という仕組みができています。
これは、次の3つの活動を別々の部署の仕事としてではなく、1つのつながった流れとして連携させる考え方です。
1.発信・採用広報(興味を持ってもらう)
ブログやイベント登壇、SNSでの日常の発信を通じて、会社の魅力やビジョン、文化を外に伝えます。これが将来の候補者との最初の接点になり、「面白そうな会社だな」という興味を引き出します。
2.採用(人を迎え入れる)
広報活動で興味を持ってくれた人に対して、質の高い選考体験を提供し、会社に合った人材を迎え入れます。このプロセスは、広報で作られた期待が本当かどうかを確かめ、お互いの理解を深める場です。
3.組織作り(育てて定着させる)
入社したメンバーが早く活躍でき、継続的に成長できる環境(新人研修、キャリア支援、公正な評価など)を整えます。ここで得られる社員の成長実感や満足度が、次の発信のネタになります。
この仕組みは、「発信→採用→成長→再発信」というサイクルを自然に回し続けます。
満足度の高い社員は、自分から友人を紹介したり、自分の成長ストーリーを外に発信したりするようになります。これにより、採用活動はコストを使い続ける「お金のかかる部門」から、会社の価値を継続的に生み出す「利益を生む部門」へと変わるのです。
3.2. 社員の満足度が一番の採用ツールになる理由
人材不足の今、最も効果的な採用方法は「今働いている社員がどれだけ満足しているか」です。社員が働きやすく、成長できる環境を作ることが、結果的に最もコストパフォーマンスの高い採用方法になります。
Employee Experience(EX:従業員体験)とは、社員が会社で働く中で感じるすべての経験のことです。社員が「この会社に入ってよかった」「ここで働き続けたい」と本当に思える環境は、次のような良い流れを作ります。
社員からの紹介が増える
会社に満足している社員は、優秀な友人や知人を積極的に紹介してくれます。
社員が自分から情報を発信してくれる
社員が自分の成長や学びを、ブログやイベントなどで自然に発信するようになります。こうした「実体験に基づく話」は、作られた広告よりもずっと説得力があります。
一方で、外向けのメッセージと社内の実態にズレがあると、入社後のギャップや早期退職の大きな原因になります。社員体験への投資は、単なる福利厚生ではなく、会社を持続的に成長させるための重要な経営判断なのです。
3.3. 採用を成功させる「全員参加の採用」という考え方と採用担当部門責任者の役割
採用は、人事部門だけの仕事ではなくなっています。経営層から現場の社員まで、全員が「自分たちの仲間を見つける活動」として関わることが大切です。
特に重要なのが、採用を担当する部門の責任者の役割です。彼らがやるべきことは、面接をするだけではありません。
1.求人の内容を自分の言葉で作る
人事に任せきりにせず、「どんな課題を一緒に解決したいのか」「どんな仲間と働きたいのか」を自分の言葉で伝える。
2.面接で良い体験を提供する
面接を「選ぶ場」だけでなく、候補者の疑問や不安に答え、会社の魅力を伝える「お互いを知る場」として大切にする。
3.候補者を見つける活動に参加する
人事が連れてくるのを待つだけでなく、自分から友人を紹介したり、情報を発信したりして、候補者を集める活動に協力する。
また、CEOなどの経営層が自分の言葉で会社のビジョンや文化を語ることは、候補者にとって最も強いメッセージになります。
採用を「会社づくりで最も大事な活動」と位置づけ、全社を巻き込んでいくリーダーシップが必要です。
3.4. 炎上リスクの本質と戦略的リスクマネジメント
SNS採用を推進する上で、避けては通れないのが「炎上リスク」です。企業の何気ない発信が、意図せず批判を浴び、ブランドイメージを毀損するケースは後を絶ちません。
炎上の背景には、多くの場合、企業と社会との「価値観のズレ」や、多様な受け手に対する「配慮不足」が存在します。
リスクをゼロにすることは不可能ですが、戦略的なリスクマネジメントによって、その発生確率を下げ、万が一の事態に備えることは可能です。
- 投稿前のチェック体制:複数人によるダブルチェック、トリプルチェックを徹底する。
- ガイドラインの整備:発信内容の基準や、使ってはいけない表現などを明確にルール化する。
- 緊急時対応方針の策定:炎上が発生した場合の報告ルート、責任者、対外的なコメントの方針などを事前に定めておく。
そして究極的には、「炎上リスク」に対する最大の防御は、堅牢で本物のEmployee Experience(従業員体験)です。
企業の外部へのメッセージが内部の現実を忠実に反映しているとき、批判は根拠を見出しにくくなり、満足度の高い従業員が最も信頼できるブランドの擁護者となるのです。
SNS採用は、単なる手法の導入ではなく、採用に対する考え方、ひいては組織文化そのものの変革を伴う壮大なプロジェクトです。
それは、企業のあり方を社会に問い、未来の仲間との対話を通じて組織を成長させていくプロセスに他なりません。
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まとめ 未来の採用を拓くための提言
本記事では、SNSを主戦場とする現代の採用市場を勝ち抜くための新たな戦略として、「循環型モデル(エコシステム)」の構築を提唱してきました。
まとめとして、これまでの要点を戦略的原則として整理し、読者の皆様が明日から実践できる具体的なアクションプランを提示します。
持続可能な採用エコシステム構築のための3つの原則
原則1:新たな現実を直視する
採用の主戦場がSNSへと移行したことは、不可逆的な地殻変動です。これを単なるトレンドではなく、人材獲得の新たな主戦場として認識し、従来型の消費的な採用手法との決別を決断することが全ての出発点となります。
原則2:戦略を徹底する
「とりあえず投稿」から脱却し、戦略的なSNS運用を実践しなければなりません。採用ターゲットに最適なプラットフォームを選定し、広告ではなく「共感ストーリー」を伝えるコンテンツを企画・発信する。そして、データに基づき循環サイクルを回し、継続的に運用を改善します。
原則3:エコシステムへ昇華する
採用活動を単独の施策で終わらせず、「採用×組織作り×広報」を連動させた持続可能なエコシステムへと昇華させます。優れた従業員体験(EX)が最強の採用広報となることを理解し、採用担当部門責任者を巻き込んだ「全員採用」の文化を醸成することが不可欠です。
エコシステム構築に向けた最初のステップ
理論を実際に使うために、次の3つのステップから始めることをおすすめします。
ステップ1:今の状況を確認し、目指すゴールを決める
やること1:自社の採用メッセージが、若い世代を含む今の求職者に伝わっているか、第三者の意見も聞きながら確認する。
やること2:「応募者数」「採用にかかる費用」といった具体的な最終目標と、それを達成するための途中目標を明確に決める。
ステップ2:まずは試しに始めて、勢いをつける
やること1:まずは1つのSNSに絞って、社員の普段の様子や成長した話を発信する。完璧を目指すより、まずは始めることが大切。
やること2:担当者一人に任せず、チームで協力し、最低でも3ヶ月間は続ける体制を作る。SNS採用はすぐに結果が出るものではなく、信頼を少しずつ積み重ねていくもの。
ステップ3:会社全体に広げて、文化として定着させる
やること1:採用担当者と採用する部門の責任者が定期的に会議を開き、どんな人材が必要か、選考の状況、市場の動きを共有する場を作る。
やること2:採用を「人事部の仕事」ではなく、「会社全体の未来を作るプロジェクト」として位置づけ、その大切さを経営層から現場まで一貫して伝える。
カズミアからの提案
本文中で述べさせていただきました通り、SNS採用は投稿をもって完了ではなく、データを分析し継続的に改善していくことが成果を達成するための鍵となります。
中小企業様においては、SNS運用に対する専門部署の設置が困難であるという人的な課題が存在します。これらの運用面につきましても、カズミアにてサポートを実施させていただきます。
ぜひ一度、ご連絡いただけますようお願い申し上げます。
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【連載】成功する採用マーケティング
第1回:中小企業でもできる!採用ブランディングで応募を増やす実践的ノウハウ
第2回:採用サイトは企業文化の語り部 中小企業こそ作るべき理由と作成ステップ
第3回:内定承諾率を劇的に変える!採用パンフレットを「不安を解消する切り札」にする作成術
第4回:中小企業こそやるべき!「採用ペルソナ」ワークシート作成と採用ミスマッチを防ぐ活用法
第5回:「働く意義」を言語化する。 採用活動で重要な経営者のメッセージ設計法
第6回:リファラル採用を成功させる制度設計・運用ノウハウ!
第7回:【早期離職対策】採用ミスマッチによるギャップを埋める!中小企業向けオンボーディング設計ガイド
第8回:採用サイト・パンフレットに載せるべきコンテンツ虎の巻:求職者の心を掴む実例ヒント集
第9回:Z世代に響く新卒採用ブランディング戦略とは?
第10回:【費用対効果バツグン】SNSでZ世代を採用するマーケティング戦略とは?








