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中小企業のための心に響くブランディング戦略

中小企業×ブランディング002|中小企業のための心に響くブランディング戦略

  • 「いいものを作っているのに、なかなかお客様にその良さが伝わらない」
  • 「技術には自信があるのに、なぜか価格競争から抜け出せない」

経営者の皆さまとお話ししていると、こうした切実な声をよく耳にします。

このお悩みを解決する大切なキーワードが、今回の「ブランディング」です。

前回は、会社がずっと元気でいられるための「デザイン経営」についてお話ししました。今回は、その一歩先として、お客様に長く愛され、選ばれ続けるための「ブランディング」に焦点を当て、その具体的なメリットと、どんな風に進めていけばいいのかを、優しく、分かりやすくお伝えしていきます。

 

目次

1. ブランディングとは

1.1 「ぜひ、あなたから買いたい」と言われる状態をつくる活動

あなたの会社や商品・サービスにしかない素敵な「イメージ」や「信頼」をお客様の心の中にそっと築き上げ、他の会社との違いをはっきりとさせ、ずっと応援してくれるファン(ロイヤルカスタマー)を増やしていくための、大切な戦略活動のことです。

もっと分かりやすく言えば、「〇〇のことなら、あの会社にお願いしたいな」とお客様に一番に思い出してもらい、「ぜひ、あなたから買いたい」と選んでもらえるような状態を作っていくことです。

そして、お客様との間に「期待を裏切らないという約束」と「心と心の熱い結びつき」を作っていくことでもあります。

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2. なぜ必要なのか:ブランディングの目的とメリット

「ブランディング なぜ必要」という検索が多いことからも多くの方がお悩みや興味を持たれていると思います。

 

2.1 価格競争からの脱却

これを考えるとき、一番わかりやすい実利的なメリットがあります。

それは、「価格競争からの脱却」です。

お客様から「他社はもっと安いよ」「勉強してくれない?」と言われるのは、経営者にとって耳の痛い話です。しかし、厳しい言い方をすれば、これは「他社との違いや、御社の価値が正しく伝わっていない」というサインでもあります。

お客様がその商品に「価格以上の価値(=ブランド)」を感じていれば、安易な値引き交渉は起こりません。例えば、特定の工具や素材を指名して購入する職人さんは、多少高くても「使い勝手と耐久性が違うから」と、そのブランドを選びます。

価格競争による疲弊は、多くの経営者が抱える悩みです。ブランディングは、そうした消耗戦から会社を解放し、強く、持続的に存続させるための活動となるでしょう。

 

2.2 会社を守る「存在意義」

確立されたブランドは、会社と大切な社員の方々を支える「存在意義」にもなります。

利益率の向上と安定

価値が正しく伝わることで、適正価格で取引が成立し、利益がしっかりと残ります。

社員のモチベーショ

社会に認められている会社で働いているという誇りが、働く意欲につながります。

採用への効果

会社の理念や姿勢に共感する、質の高い方々との出会いを引き寄せます。

 
この「存在意義」を育む活動も「ブランディング」です。

 

2.3 信頼を積み重ねる活動が、ブランドという資産になる

ブランディングは、あなたの会社が持っている「本当の良さ」を、お客様に分かりやすく伝え、信頼という貯金を積み重ねていくことなんです。この「信頼の積み重ね」こそが、どんな不況にも負けない、あなたの会社の本当の強さになっていくと私たちは考えます。

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3.「デザイン経営」と「ブランディング」の関係

3.1 経営の手法と、価値を高める活動という役割の違い

「ブランディングの重要性はわかった。でも、前回話していた『デザイン経営』とはどう違うの?」
そう思われた方もいるかもしれません。

デザイン経営とは、
「経営全体にデザインの力を取り入れ、課題解決や価値創造を目指す経営手法」

です。

「お客様は本当は何に困っているのか?」という視点を、新商品の開発から組織づくりまで、経営のあらゆる場面で使う「考え方」や「やり方」そのものを指します。

一方でブランディングは、
「ブランド価値の向上に特化し、顧客との関係を構築する活動」

です。

デザイン経営という手法を使って生み出した価値を、どうやってお客様に伝え、好きになってもらい、強い絆を作っていくかという「具体的なアクション」を指します。

 

3.2 デザイン経営を土台にして、ブランドを磨き上げる

この2つの関係を整理すると、「ブランディングとは、デザイン経営によって生み出された価値を最大限に活かす、軸となる活動」と言えます。

また、「デザイン経営」という手法を使って会社を良くしていき、その成果をお客様の信頼に変えていく活動が「ブランディング」であると言えます。

例えば、デザイン経営の視点で「今の時代に求められる、本当に優しいサービス」を会社全体で生み出したとします。その素晴らしいサービス/価値を、ロゴやホームページ、全ての接客などのあらゆる接点を通じてお客様に正しく伝え、「やはりこの会社は他とは違う」と実感していただける活動がブランディングです。

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4.「マーケティング」と「ブランディング」の違い

ここでは、次によく混同される「マーケティング」との違いを整理しましょう。

「ブランディング マーケティング 違い」で検索されることも多いですが、ビジネスにおける役割は明確に異なります。

 

マーケティング(Marketing)

商品やサービスを「売るための仕組み」や「戦略」です。市場調査を行い、広告を出し、お客様に知ってもらうための「攻めのアプローチ」と言えます。
(メッセージ:「買ってください」「良いものですよ」)

 

ブランディング(Branding)

その商品や企業自体に「価値」を感じてもらい、お客様に選ばれる理由を作る活動です。無理に売り込まなくても選ばれるための「基盤づくり」と言えます。
(顧客の心理:「これが欲しい」「あの会社にお願いしたい」)

 
どんなにマーケティング(=攻め)でお客様を集めても、そこに確かなブランド(=信頼・魅力)がなければ、せっかくの出会いが、一度きりで終わってしまうかもしれません。逆に、ブランディングが確立されていれば、過度な宣伝広告費をかけずとも、お客様の方から自然と指名買いをしてくれるようになります。

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5. 会社の「軸」をつくるCI/MVV

では、その「信頼」「ブランド化」という名の目的地にたどり着くには、何を頼りに進めば良いのでしょうか?
その羅針盤となるのが、CI(コーポレート・アイデンティティ)、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)です。

 

5.1 CIは「器(うつわ)」、MVVはその中の「一番大切な魂」です

CIとは、「私たちは何者か」を明確にし、それを社内外に発信する枠組み(器)であり、企業の存在意義、考え方、独自性を、行動とビジュアルの両面から伝える一連の活動です。ブランディングを具現化する上で、不可欠です。

そして、その器に注ぎ込む、最も重要で情熱的な内容(魂)がMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)です。

この「器(CI)」と「魂(MVV)」が揃って初めて、会社の揺るぎない「軸」が完成します。

 

5.2 3つの要素(MI・BI・VI)が「会社らしさ」をつくります

CIは、以下の3つの要素が組み合わさってできています。これらが一本の筋として通っていることが、信頼されるブランドの条件です。

MI(マインド・アイデンティティ):心の統一

これがCIの「心臓」です。「なぜ私たちは存在するのか」「どんな理想を掲げているのか」という企業の意志です。

BI(ビヘイビア・アイデンティティ):行動の統一

心の統一(MI)に基づいた「具体的な行動」です。挨拶、電話の受け方、仕事の丁寧さなど。社員一人ひとりの振る舞いすべてが、お客様にとっての「会社らしさ」となります。

VI(ビジュアル・アイデンティティ):見た目の統一

ロゴ、色、ホームページ、名刺などの「視覚的な表現」です。心(MI)と行動(BI)を形にしたもので、お客様が真っ先に触れる「会社の顔」になります。

CI(コーポレート・アイデンティティ)とMI・BI・VIの関係を示す図
 

5.3 魂である「MVV」を自分たちの言葉で作る

MVVはCIという「自分たちらしさ」を形作る仕組みにおいて、まさに「魂」にあたる大切な要素です。

  • ミッション(使命): 「何のためにこの仕事をしているのか」という、社会での役割。
  • ビジョン(未来): 「いつか、どんな世の中にしたいのか」という、理想の姿。
  • バリュー(価値観): 「私たちはこれだけは守る」という、日々の判断基準。

器(CI)をいくら綺麗に作っても、中身(MVV)が空っぽだったり、他社のマネだったりすると、お客様はすぐに見抜いてしまいます。あなたの心の底にある「本音」を言葉にすることが、何より大切です。

 

5.4 大切なのは「言行一致」

CIについて最も大切にしたいのが、この3つの要素に「ズレがない」こと、つまり一貫性です。

悪い例として、

  • マインド: 「誠実さを第一に」という想いを掲げていても、
  • ビヘイビア: お客様からのお問い合わせへの対応にばらつきがあったり
  • ビジュアル: 広告が実態以上に派手で誇張されているように見えたりすると

お客様は「掲げていることと、実際の姿に少し違いがあるな」と感じてしまい、せっかく芽生えた信頼が揺らいでしまう可能性があります。

理念(Mind)を日々の行動(Behavior)で丁寧に示し、それを表現(Visual)でしっかりと支える。この美しい一貫性こそが、お客様との強固な信頼関係を育む土台となるのです。

本記事では、CIの概要についてのみ触れさせて頂き、CIの詳細、またどうCIを言語化するか、については別記事でお伝えしいたします。

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6. 目的別で使い分ける!ブランディングの種類

6.1 誰との関係を一番深めたいのか? で選びましょう

ブランディングには以下の代表的な7つの種類があります。

ここで、使い分けを理解する目的は、
根っこの言葉(MVV)を共有しながらも、ターゲット(伝える相手)に合わせて「最適なCIに関する言葉」を使い分けることが、ブランディングを成功させるコツだからです。
分類を理解して使い分けることには、「限られた経営資源(時間やおカネ)をどこに集中させるべきか」を明確にするという意味もあります。

今のあなたの会社が、誰との関係を一番深めたいのか
それをはっきりさせることで、効率よく会社の価値を高めることができるのです。

1) インナーブランディング(社内向け)

社員の皆さんに、自社の価値や想いを深く理解してもらう活動です。まずは「中の人」が自分の会社を大好きになること。これがすべてのブランディングの出発点になります。社員が誇りを持てば、サービスの質は自然と上がります。

2) アウターブランディング(社外向け)

一般のお客様や社会に対して、自社の魅力を伝える活動です。ホームページやパンフレットを通じて、「なぜ私たちが選ばれるのか」という理由を発信し、新しい出会いを作ります。

3) 商品・サービスブランディング

特定の「商品」や「サービス」そのものにファンをつける活動です。「この商品といえばこれ!」というイメージを固め、指名買いされる状態を目指します。

4) コーポレートブランディング(企業全体)

会社全体の信頼を高める活動です。「あの会社が作っているものなら安心だ」という看板を磨くことで、会社そのものの価値(コーポレート・アイデンティティ)を築きます。

5) 地域ブランディング

地元の人たちに愛され、地域に貢献する活動です。「地域の誇り」になることで、地元のお客様との間に強い絆と応援団を育みます。

6) 採用ブランディング

「この会社で働きたい!」という未来の仲間に向けた活動です。会社の「本当の姿」を正しく伝えることで、価値観の合う優秀な人を惹きつけます。

7) パーソナルブランディング

個人のブランディングです。例えば、経営者である「あなた自身」の想いや魅力を伝える活動です。中小企業では「社長の魅力」が最大の武器になります。「この人の想いに共感した」というファンを増やすことが、最後の一押しにつながります。

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7.「なぜやるのか」を語ることが、ブランディングのカギを握る

「ブランディングの考え方」について、最後に、私たちが心からお伝えしたい大切なメッセージがあります。

それは、技術が進化するこの時代だからこそ際立つ、人間だけが持つ「想い」の力です。

AIの進化により、質の高い文章や整ったデザインを、以前よりもずっと簡単に生み出せるようになりました。
「何をすべきか(What)」や「どのように効率化するか(How)」については、AIが力強いサポートをしてくれるでしょう。

ただ、「なぜそれをやるのか(Why)」という創業の動機や、経営者の皆様が大切に抱いている熱意だけは、AIには決して語れない、かけがえのないものです。

 

7.1 「何を売るか」より「なぜやるか」に人は動かされます

ブランディングで最も大切なのは、「何を売っているか」という説明ではありません。

むしろ「なぜそれをやっているのか」という、あなたの「原点」や「情熱」を語ることです。

お客様は、商品そのものだけでなく、その背景にある物語や経営者の想いに共感してファンになります。この「なぜ(Why)」こそが、他社には絶対に真似できない、あなたの会社だけの最強の差別化(違い)になります。

 

7.2 あなたの「物語」は世界にたった一つしかありません

技術やデザイン、価格はいつか他社に真似されるかもしれません。しかし、あなたがこれまでどんな苦労をして、どんな想いでこの会社を続けてきたかという「物語(ストーリー)」は、誰にもコピーできません。

「職人さんの笑顔を守りたいから、この道具を作っているんです」「子供たちが安心して暮らせる未来のために、このサービスを選んでいるんです」。そんな、あなたの「本音」から出る言葉に、人は心を動かされます。

 

7.3 綺麗ごとではない、あなたの「本音」を言葉にしてください

立派なスローガンは不要です。経営者が真剣に考え、大切にしている等身大の想いを、ありのままの言葉で語りましょう。その真実の言葉こそが、お客様の心を動かす最強のブランディングになります。

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8. まとめ

8.1 ブランディングは、お客様との「心と心の握手」です

今回お伝えしたブランディングは、自分たちの「本当の良さ」を正しく届けるための活動です。まとめると、

  1. 経営全体にデザイン思考を取り入れ、会社の価値を磨く(デザイン経営)
  2. 一貫した仕組みと見た目を整える(CI)
  3. 自分の本音の想いを、誰もがわかる言葉にする(MVV)
  4. すべての活動を通じて、顧客との関係を築く(ブランディング)

焦らず一歩ずつ進んでいきましょう。それが、お客様からも社員からも愛され続ける「唯一無二の会社」への近道です。

 

8.2 まずは自分たちの「良さ」を信じることから

中小企業のブランディングは、自分たちが持っている魅力を認めることから始まります。
あなたの会社が、今すでにお客様に喜ばれている理由。そこを掘り下げていくだけで、立派なブランドの芽は見つかります。

「自分たちもやってみようかな」と、少しでもワクワクしていただけたら、それがブランディングのスタート地点です。

 

御社の「強み」、一緒に言葉にしませんか?

「素晴らしい技術や熱い想いがあることはわかっている。だけど、その本質的な価値を、どのように言葉にし、お客様へ届けるかに悩んでいる」

もし、その表現にお困りでしたら、ぜひ一度私たちカズミアにご相談ください。 私たちは、単にWebサイトを作るだけではなく、ブランディングの視点から、御社の「本質的な価値」を共に掘り起こします。そして、お客様の心に響く形(デザインや言葉)へと磨き上げていくパートナーです。

まずは御社のこと、経営への想いをざっくばらんにお聞かせいただけませんか。
そこから、御社だけの、お客様を魅了するストーリーを一緒に見つけ出しましょう。

 

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【連載】成功するブランディング

第1回:デザイン経営とは?中小企業に必要な理由と実践方法を解説【診断テスト付き】
第2回:中小企業のための心に響くブランディング戦略

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